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蟻の薬用効能

中国ではを薬として利用することは非常に古い昔から始まりました。漢の時代、民間に広く伝わった、骨を強くする “金鋼丸”は蟻を粉にしこれに蜜煉丸を加えて作ったものです。唐の時代、宋の時代の医学文献では、そのどれもが蟻の解説及び治療効果について述べられています。その中でも最も詳しいのは16世紀の李時珍の巨作であり、非常に有名な《本草鋼目》です。その中では、蟻の生態、薬理効能と食用としての価値について詳しく述べられています。この巨作はその後多くの学者の重要な参考文献となっています。清の時代、趙学敏の《本草鋼目拾遺》では、蟻の卵が状元子と呼ばれ、その味は甘く、強壮、美容、母乳分泌促進などの効果があり、病後の虚弱及び出産後の母乳不足などに使用されると記載されています。
 
 中国たくさんの地域の人々は蟻の薬としての価値を知っています。例えば、東北では蟻と豆腐を一緒に煮たものが母乳不足の治療に使われます。西北では、酒に蟻を漬けたものがリウマチの治療に用いられます。広西地方では、蟻の粉に肉を混ぜて団子にし、蒸したものが滋養強壮の薬として老人と虚弱体質の人に飲まれます。その他にも、蟻は皮膚病、気管支炎、生理不順、生理痛、神経痛、肺結核、病後脱毛などの治療に用いられます。
 
 軍隊の衛生員から軍隊の“蟻の王”になったことで知られる呉志成教授は、蟻研究のために実に40年もの間精力を注ぎました。戦争時代から蟻を用いて大勢の負傷者を治療し、またいろいろな難病を治しました。彼は主に蟻でリウマチを治療することを課題として研究を続けています。

 世界には他にも多くの国で蟻を薬として用いる例があります。南アメリカのネイティブアメリカンの医者は蟻を使って手術の後の縫合を行います。メキシコでは蟻の分泌物を利用し、蛇に噛まれた傷を治療します。ロシアでは、蟻を原料にした軟膏で膿性皮膚病、神経性皮膚炎を治療し、蟻の粉を利用して亜鉛不足による下肢の病気を治療します。アメリカのマイアミ大学は研究を通じてボリビアの蟻がリウマチ治療に効果があることを証明しました。オーストラリアのある生物学者は、蟻が一種の新しい抗生物質を作り出す能力があり、この成分が細菌感染の治療に利用できるのことを発見しました。日本では、凍傷、虫さされ、神経痛などの治療に蟻が用いられている地域があります。南アメリカでは蟻でリウマチとめまいを治療しています。ヨーロッパでは、通風、めまい、リウマチ、麻痺に用いられます。アフリカでもリウマチ治療に蟻が用いられます。ブラジルでは癲癇治療に用いられています。アラブでは蟻でED、早漏治療に用いられ、イギリスには蟻のエキスを利用して無痛分娩を行います。またインドでは抗疲労、マレーシア、タイなどでは精力増強にも用いられることが知られています。

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